赤外線サーモグラフィによる建物診断
特殊建築物外壁赤外線調査と打診調査及び赤外線研修
2015年度も6月より赤外線による特殊建築物外壁調査開始しました。(4月・5月の赤外線調査は、タイルが落ちたマンション・外壁の現状確認・改修前調査等でした。)
5月はタイルが膨れているマンションの調査などありましたが、忙しくはなく研修にも時間を多く費やすことが出来ました。

研修①東西南北全ての面日射なしでの撮影・分析
一日曇りだが、9時~12時に4度気温上昇する日に外壁面全てを調査。
快晴時には日射がある東・南・西面を曇った日に撮影、日陰面気温上昇による分析精度を検証する。(実際の業務は晴れの日調査です)

同一建物過去の快晴時データと今回日射なしデータの比較。

(分析結果)
3時間気温上昇4度は、まあまあといった程度ですが、朝は雨で壁面温度が下がっていた可能性があり、見つけた浮きの数は過去の快晴の日とほとんど同じでした。
(面ごとの分析 快晴時データとの比較)
1.東面 3か所程度の著しい浮に関しては、はっきりと確認できます。小面積の浮きは、快晴時はっきり確認できるものが、ややぼやけた状態で確認できました。
2.南面 著しいとまでは言えない浮き(著しい浮に近いものを含む)、周囲との温度差は少ないが、全て確認できました。
3.西面 著しい浮き及び小面積の浮きどちらもはっきり確認できました。
4.北面 打診結果と同じく、見つかった浮きは少ない面です。過去の良い条件(気温上昇3時間8度)ほどではないが、小さな浮きまで確認できます。快晴だが気温上昇が少ない日は、小さな浮きは見つかっていません。
(結論)
今回の結果からは、晴れていなくても気温上昇で分析可能となりますが、あくまで結果論です。今後も可能な限り快晴の日に調査は行っていきます。但しこの結果から、特殊建築物外壁調査において、赤外線で日差しのない北面の著しい浮きやそれに近い浮きを見つけることは、可能であると思われます。

研修②西面撮影時間の難しさ③著しい浮きの傾向④気温上昇が少ない快晴の日の、日射による赤外線分析精度⑤気温の上昇度合と日陰面分析結果
上記②~⑤については、SST研究所小規模セミナーにて発表しています。
一日曇りの日、東・南・西・北4面撮影は、研修目的で再度行う予定です。

②西面撮影時間の難しさについて(2015年8月追記)
2011年7月28日調査 一日快晴
15時西面にほぼ真正面から日射あり(太陽高度53度)、当時は適切な時間帯と考え撮影。その後3回時間の経緯で違いがあるか撮影しました。
15時に浮きと判断できなかったわずかな異常高温部分が、15時20分に温度差は少ないが浮きと思われる形状になり、15時50分にははっきりわかります。最後の撮影16時10分(太陽方位真正面+10度 高度38度)が周囲との温度差も最大です。
この部分は、20時前後の夜間撮影で周囲より低温になっています。また3m打診棒での打診で浮きが確認されました。
※当時夜間撮影は日没後30分経過から開始していました、現在は日没前に開始しています。
15時真正面からの日射で見つからなかったことは、SST研究所最大の謎の一つです。(もう一つは、気温上昇が少ない曇りの日の北面で、いくつもの異常高温部分がはっきり見つかったということです。その後、気温上昇が大きい日に再度調査をおこない、分析結果はわずかに高温になっていました。一部は打診を行い、浮きが確認できています。)
2015年7・8月福岡での調査業務にて
7月30日31日快晴にて赤外線外壁調査診断
2011年の出来事はトラウマであり、この日も14時15分、15時、15時45分、16時30分に西面を4回撮影しています。結果は2011年の鹿児島とは違い、15時~16時30分までほぼ同じ、14時15分もわずかな差があるが許容範囲でした。
8月2日快晴
14時30分から16時50分まで計6回撮影。全てのデータが使用可能でしたが、15時~16時画像が若干優れていました。
8月4日晴れ
この日のみ青空でなくやや白い空模様です。青空でなければならないのかのテストでしたが、分析結果に青空との差はありませんでした。
結論
西面春から秋の撮影時間は、15時~16時(夏16時30分)とします。但し、天候はいつ変化するかはわかりません。よって可能なら、14時~16時20分(夏16時50分)まで待機します。
SST研究所小規模セミナーでは、夏に加えて冬の場合もお話しています。電話にてお申込みください。よろしくお願いします。
※東面撮影時間帯夏季研修終了しました。過去の研修分を含めて分析、SST研究所東面春から秋の撮影時間帯決定します。

長尺打診棒での打診について
打診調査は、特殊建築物定期報告で必要な手の届く範囲は通常の打診棒を使います。80cm~120cm程度の打診棒ですが、赤外線撮影が困難な場所や赤外線画像のチェックの為には、2m・3mの長尺打診棒を使用しています。3mの打診棒は、わからないのではないかという指摘を受けたりしますが、間違いなく使える打診棒と思っています。(赤外線ページ 250日研修に打診も含まれています。)
但し、5m打診棒は購入時精度が悪く倉庫にしまっていました。今回改良を重ねてテストを実施した所、3m打診棒に負けない成績が確認できましたので、2014年11月調査より実戦投入しています。テスト動画は、スマートフォン・iPad・パソコンでもお見せできるようにしていますが、youtube動画もアップ予定です。
基本的には、特殊建築物定期報告の外壁調査の場合、手の届く範囲は2.5m程度と考えていますが、可能な場所は5m打診棒を使い6m以上の高さまでの打診も可能です。(コラム youtube動画 赤外線調査と外壁打診では3階近くと書いていましたが、3階の一部までの打診ができるようになりました。)
2014年12月
一日中日射がないマンション妻面、朝と昼の気温差が大きいと予想される日の11時代に撮影しました。朝9時から昼12時までの温度差が7.0度と好条件でしたが、日陰面は可能な範囲打診としていますので、2階及び3階の一部も5m打診棒での打診調査をおこなっています。赤外線と打診を比較分析した結果は、打診できない10階までの部分の赤外線分析に大きな力となります。

※地上から打診可能な高さ
5m打診棒  5.5m 最大6.5m
3m打診棒  4.5m
2m打診棒  4.0m

5m打診棒のyoutube動画、赤外線ページ一番下にアップしました。