赤外線撮影に好条件は何月ですか、できない月はありますかといった問い合わせが時々あります。10年9月より17年4月までの同一建物210日研修結果及び実際の受託業務での経験でわかってきたことを以下にまとめましたので、よろしくお願いします。
1~3カ月ごとに分けて書いていますが、年により差がありますので、おおよその意見であることをご了解ください。また実際に業務経験及び研修施設がある、雪が積もらない関西・九州地区の郊外を含む人口密集地での事例です。

4月・5月
まだ朝は寒い日もありますが、昼には気温が上がり赤外線撮影には絶好のシーズンです。4月は日影面撮影・分析に有利な日較差(最高気温と最低気温の差)が大きく、5月は北面にも日射が当たる場合もあります。
例えば、弊社福岡事務所北面は真北ではなく西に15度ほど向いた建物ですが、3月28日15時に太陽位置は真西を超え北面に陽が射し始めていました。撮影可能高度と思える16時過ぎにはより日射量が増えます。(+15度程度)
この西へ15度向いているケースでは、より北に太陽が進む1~2か月後の方が良いと思われます。また同一条件で九州より関西、関西より関東の方が太陽はわずかですがより北へ進みます。(+3度+6度)

※福岡事務所4月18日の16時は北面に約25度~30度の角度で日が射していました。
同条件の建物の場合これより5月後半をピークとして、北面日射による撮影を始めます。東に傾いている場合は早朝7時30分からの撮影(関西・関東は7時の場合あり)
通常北面は気温上昇中の昼前後撮影をしますが、この撮影を中止するわけではありません。 
 
天気予報では晴れの日が多く、予報が間違うことも少ない傾向にあります。
その結果、現場調査日数は少なくなる傾向にあり、4月5月限定での割引を行っています。

6月
6月も4月5月と同じく赤外線撮影にとって好条件の日もありますが、梅雨入りするとできなくなります。

7月8月
7月前半は梅雨が終わっていない可能性が高く、明けてから8月にかけては昼気温が高くなりますが、朝から暑いケースも多く朝と昼の温度差が少ない場合があります。また、南面は太陽高度がまだまだ高く好条件とは言えません。
但し、以前8月撮影の南面のみ11月に再撮影に行き検証しましたが、浮きの見つかった個所数及び近隣の壁面との温度差に大差はありませんでしたので、業務受託件数は最近多くなっています。

9月・10月・11月
例年受託業務件数は圧倒的に多い季節ですが、天候が良くなく苦労することは少ないようです。太陽高度も下がっていきますので、好条件のシーズンであると思われます。
特殊建築物定期報告の為の調査が多い季節です。

12月・1月・2月
いわゆる真冬に赤外線はどうかということですが、分析する力としては、最高の季節です。研修を始めたころは、昼になってもこんなに冷たい壁面での分析はできないだろうと思っていましたが、分析すると他のシーズンより圧倒的に浮いている部分と周囲との温度差が大きくなっていました。
タイルが落下した部分があることによる全体赤外線調査では、複数のケースで
危険と思われる浮部分と周囲との温度差が9度14度といった他のシーズンでは考えられない温度差もありました。
但し、残念ながら快晴は多くなく、太陽高度が低いので近くにビルがある場合は太陽が当たらないケースも多くありました。
周囲に高層ビルがない郊外タイプ建物の場合は絶好のシーズンですが、都心部のような高層ビルが多い場合は4月以降まで待った方が良いと思われます。

大阪市内の例
1月現地見学時には南道路面8階建て6階まで日陰でしたが、赤外線撮影を行った4月には1階まで全て日陰なしとなっていました。
 
3月
2018年も3月は、朝寒く昼暖かいといった快晴の日が多くありました。このような年であれば赤外線には絶好の月ですが、冬太陽が低く日陰になっていた建物は、もう1~2カ月待った方が良い場合もあります。
北面が東又は西に少し向いている建物を4面全てで日射による撮影をするにはまだ早い季節です。