研修に使用させて頂いたRC造建物のタイル外壁撮影が2017年1月の改修後撮影を最後に終了しました。
6年間に及ぶ赤外線調査の長期間データは、SST研究所の貴重な財産ですので、今後の画像分析に大いに役立つものと思っています。
また、設計事務所・建設会社・管理会社・調査会社様やこれから赤外線撮影を始めようとお考えの調査会社等への訪問セミナーでも以下の分析結果を公表していこうと考えていますので、よろしくお願いします。
メニュー欄の赤外線調査や非破壊調査料金に書いていますように、この研修は赤外線調査・分析料金の低価格化に貢献しています。
6年間の研修及びセミナー内容
①春夏秋冬の季節による分析結果の違いについて
冬はできますか?熱い夏が良いのですか?などの問い合わせもありますが、とことん1~12月を毎年比較してみました。
②夜間撮影を行う理由
SST研究所過去の現地調査では、一部水漏れ調査を除き夜間撮影を行っています。理由は、昼間高温部分でも浮いていない場
合もありますが、夜間その部分が昼とは逆に周囲より低温の場合は浮いている可能性が高いからです。
研修テーマは、日没から深夜までの時間帯で、各面ごとに何時に調査すべきかということでした。以前は実際の調査でも21時
や23時に行ったこともありました。しかし研修の結果現在は、費用対効果ということも考え遅い時間帯ではありません。
日没前30分からが基本ですが、季節や建物の位置などで変更します。
西・南角45度の位置から一度に撮影すると、西面の浮きは高温、南面の浮きは低温となる時間帯もあります。
③撮影時間
対象面へ真正面の90度がベストと思われますが、浅い30度から120度を超えた時間帯まで比較しました。
東面・南面・西面と面が違うと結果は違っています。
④左右・上下の撮影角度
30度・45度といった角度は基本守りますが、それが不可能な場合どうするかという悩みがありました。
例えば4階の浮いている部分を45度の角度で撮影、一歩ずつ前進し撮影、最後は壁面まで1mの距離で撮影しました。
驚きの結果がでています。
⑤雨の日の撮影
雨=中止です。但し、条件次第では撮影します。夏の夕立(最近はゲリラ豪雨)は急激な温度低下が望めるからです。
過去に3度ほどテストしましたが、2回は通常の夜間撮影以上の分析結果でした。
⑥撮影距離の限度
(A)タイル2枚程度と(B)15cm×20cm程度の浮きについての撮影距離テストです。
(A)は、10m・20m・30m・40mと下がっていき撮影。
(B)は、15m・30m・45m・60m・80m・100m・120mです。
さすがに120mは?
⑦風速
風速5m以上の時は、私たちも基本再撮影です。
研修及び業務での再撮影で、5m~10mまで数多くのデータが集まりました。
残念なのは、台風前で強風は吹いているが晴れているという画像がまだないことです。
⑧北面その他の日影面撮影時間帯
夜間と同じく何時がベストなのか、数多くの研修を行いました。
現在は、11時30分からと12時30分からの2回が基本です。
残念ながら直近の事例では、気温上昇のピークが11時であり、それより気温が下がるということがありました。
再調査となりましたが、2回目は北面と同時に1回目で浮きが見つかった西面を、日射がまだないこの時間帯に撮影し
好条件であることを現地で確認しています。
この悪条件と思われた1回目と気象庁の過去の天気でも好条件であった2回目との比較もおこなっています。
⑨その他
快晴と薄日の時の比較。晴れたり曇ったりの、曇りの時間ごとに晴れてからの必要時間テスト。
基本三脚ですが、俊敏な撮影が可能な手持ちと本当に差があるかなどのテストも行いました。